日光自然博物館

BLOG 戦場ヶ原からこんにちは

2023.07.21
新・山の上からこんにちはvol.523

奥日光の自然情報を中心に、日光の最新の話題、さらに日光自然博物館のイベント情報を、カテゴリー「新・山の上からこんにちは」の記事として毎週金曜日にお伝えしていきます。

 

*********************************************************

 

今朝の天気はくもり、気温は17℃。(8:00時点)※下記の情報は7月18日(火)時点のものです。

 

最近は、日中の気温が25℃程度と平地に比べると高くはないものの、標高が低い分日差しが強く、汗ばむことも少なくありません。

そんな暑さを忘れる為に、涼しさを感じることが出来る様々な体験を探しに、切込湖・刈込湖へ行ってきました。

湯元源泉から歩き始めると片道約90分の道のりです。小峠まで標高200m程の登り、そこから100m程下るアップダウンのあるコースです。

 

まず初めに小峠までの長い登りを終えた辺りで、シラビソの松ぼっくりを発見しました。

拾い上げてしばらく観察していると、いつの間にか松脂で手がベタベタに、、、

しかし、その匂いをかいでみると、鼻がスーッと涼しくなる様な爽やかな香りがしました。この他にも針葉樹の幹の表面からも松脂が出ていることがありますので見つけた際にはぜひ香りを楽しんでみてください。

ここから先は刈込湖に向かって下って行きます。森がどんどんと深くなるとともに、森中に響き渡る野鳥の鳴き声が聞こえてきました。

鳴き声の正体は、栃木県の鳥に指定されているオオルリです。日本三鳴鳥にも数えられるその鳴き声はまさにヒーリングボイス!聞くだけで涼しくなるようなとても綺麗な鳴き声を楽しみながら刈込湖へ向かうことが出来ました。

刈込湖に到着!日差しが強く始めは暑く感じましたが、

刈込湖からその先にある切込湖、涸沼にかけてV字の谷地形になっており、風の通り道になっているようで、ちょうど良い風が湖面を吹き抜けてきました。あまりに心地よいのでしばらく湖畔で涼んでいると、突然頭上からバサッという音が聞こえるとともに、ぎこちない飛び方をした鳥が目に入りました。

巣立ちしたばかりのキビタキと思われるヒナでした。落ち着かない様子でキョロキョロと、初めての森の中を夢中で見渡す様子がとてもかわいらしかったです。しかし、しばらくするとそよ風に揺られてウトウトし始めました。そんなヒナの表情が最後に心までを涼しい気持ちにさせてくれました。

 

今回歩いた切込湖・刈込湖周辺は涼しくて景色も良く快適な場所ですが、道中は岩が多い登りや、急な下り坂もありますので登山靴を履くなど、装備を整えてお越しください。(鈴)

 

8月11日の『山の日』には、自然解説員の案内で切込湖・刈込湖を歩くイベントを開催予定です。ご興味がおありの方は、お気軽に日光自然博物館までお問い合わせください。