奥日光の自然情報を中心に、日光の最新の話題、さらに日光自然博物館のイベント情報を、カテゴリー「新・山の上からこんにちは」の記事として毎週金曜日にお伝えしていきます。
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※下記の情報は8月13日(水)時点のものです。
今回は赤沼から森の中、小田代原の木道と進み、小田代原の展望台まで約4.5kmの道のりを歩きました。帰りの低公害バスの乗車を含め、2時間強のコースです。
まずは赤沼から小田代歩道を歩いて小田代原を目指します。ミズナラを中心とした深い森の中では、上を見上げてみると綺麗な青空が森の緑に透けて見える心地よい景色を楽しむ事が出来ましたよ。
40分ほど歩くと小田代原の東の端に到着し、展望台を目指して反時計回りに木道を進み始めるとすぐに青々としたカラマツやシラカンバの林が現れ、林内では奥日光の夏を象徴するコエゾゼミのジ―っという鳴き声だけがひたすら響いていました。
パッと見た景色やセミの声からはまだまだ夏を感じさせられますが、歩いて行くうちに秋を感じる物もたくさん見られました。
夏の景色に紛れてシロヨメナやソバナなど夏の終わりから秋口に咲く花も姿を現し始めていました。
また、周辺の木々をよく見るといくつもの木の実類を発見できました。まずは6月に咲く花が美しいズミ、小さな松ぼっくりが可愛いカラマツ、そしてクマの大好物でもあるミズナラのどんぐりなど、青々と茂る木の中では見落としてしまいそうでしたが、すでに実りの秋はスタートを切っていました!
さて、最後に展望台からの景色は...
向かって左側は夏らしいホザキシモツケ群落のピンク色が良く目立っていて、
右側にはイネ科の植物の穂が小麦色や薄紫色など複数の色で縞模様に彩る秋の草紅葉を感じさせる左右でまったく違った景色を作り出していました。まるでシラカンバの貴婦人が季節の境目となっている様な、なんとも美しく不思議な景色でした。
奥日光にはいろいろな花や景色の見頃がありますが、ベストシーズンばかり狙っていると、季節の合間に見られる絶妙な自然の美しさと出会うチャンスを失っているかもしれません。何があるかわからない、そんな時期にこそ素敵な出会いは待っているかもしれませんよ。(鈴)