奥日光の自然情報を中心に、日光の最新の話題、さらに日光自然博物館のイベント情報を、カテゴリー「新・山の上からこんにちは」の記事として毎週金曜日にお伝えしていきます。
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※下記の情報は8月6日(水)時点のものです。
今回は湯ノ湖の周りを一周するコースを歩いてきました。
標高が高い奥日光は平地に比べかなり涼しく、真夏でもめったに30℃を越えません。そんな奥日光の中でも特に涼しくておすすめな場所が今回のコースです。
まず、このコースはほとんどが森の中を歩くため木陰です。しかも、湯の湖畔に生えているアスナロやコメツガなどの針葉樹の葉は分厚く、広葉樹の葉に比べ日光を通さないため、森の中はより暗くとても涼しいです。
また、常に美しい湖面を見ながら歩けるので視覚的にも涼しく感じますし、時折湖の方から涼しい風も入ってきます。
さて、今回は湯ノ湖畔を歩いたからこそ出会えた、水辺によくいる生き物をご紹介したいと思います。
森から湖側に目を向けると、ミヤマカラスアゲハがひらひらと優雅に飛んでいました。光沢のある青緑色の羽は宝石みたい!美しいですね!
水際に止まって水を吸いにきたようでした。オスによく見られる行動で、吸水するために一度止まるとしばらく動かずにじっとしていることが多いので、その場面に出会えたらぜひじっくり観察して見てください!
また、飛びながらお腹の先端をチョンチョンと水面につけて卵を産んでいるシオカラトンボを見つけました。
(別日撮影:シオカラトンボのメス 残念ながら産卵中の写真は撮れませんでした…)
よく調べてみると、お腹の先端を水面につける時に水滴といっしょに卵を前方の植物などに飛ばしてはりつけているそうです!私はてっきり水底の泥に卵を産み落としているのだと思っていたので、とても驚きました。
卵を何に産み付けるのか、どのように産むのか、種類ごとにいろんな方法があるみたいです。どんな産卵の仕方をしているのかぜひ気にして観察してみてください。
実はメスだけではなくオスも面白い行動をしていました。なんと産卵中のメスを追いかけまわすようにして飛んでいたのです!他のオスの侵入を防ぎ、確実に自分の子孫を増やすためだと言われています。
ミヤマカラスアゲハやシオカラトンボの産卵など今回は水辺を歩いたからこその出会いがありました。ぜひ涼しい湯ノ湖で皆さんも自然観察をしてみてください!
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