奥日光の自然情報を中心に、日光の最新の話題、さらに日光自然博物館のイベント情報を、カテゴリー「新・山の上からこんにちは」の記事として毎週金曜日にお伝えしていきます。
今朝の天気は晴れ、気温は17℃。(8:00時点)
※下記の情報は7月15日(火)時点のものです。
最近の奥日光は、晴れていても天気が急変したりと安定しない日が続いています。雨具の用意や気象情報のこまめなチェックを忘れずにお越しください。
今回は竜頭滝臨時駐車場から千手ヶ浜のコースを歩く予定でしたが、天候不良のため千手ヶ浜バス停から千手堂の短いコースに変更して歩いてきました。※地図上では赤線が中止したコース、青線が今回歩いたコース
荒天時は、無理をせず、安全第一でコースの変更や中止の判断をお願いいたします。
今回のコースは、道が平坦で片道が30分程と短時間・短距離で歩けて、ミズナラやハルニレ等の巨木が広がる森と海のように綺麗な中禅寺湖の景色を横目に楽しみながら歩けるのが魅力です
コース沿いにはベンチ、中禅寺湖畔の浜辺には流木があり、綺麗な景色を見ながらゆっくりと休憩もできます。
景色を堪能するだけでも十分に楽しめますが、ある物を見てみるとより楽しい散策ができます。
あるものとはこちら
木にできた洞です。コース沿いの森の中には洞のある木が目立ちます。赤ちゃんの掌くらいの大きさから1m以上の物まで大小様々です。実はこの洞ただの穴ではないんです。生き物を観察するのにうってつけの侮れない穴なんです!
木にできた洞には、産卵や住み家として哺乳類や鳥類、昆虫など多くの生き物が利用します。特に昆虫は洞を利用する種類が多く、小さなアリやハエ、運が良いと珍しいカミキリムシや大きなクワガタなど色々な種類の昆虫が集まります。特に材の表面に小さな穴や鍵カッコのような跡が付いていたら要チェックです。
材の表面に穴や跡がある物は、昆虫がいた痕跡です。小さな穴は成虫が羽化して出た跡、鍵カッコのような跡はクワガタが産卵した痕跡になります。
このように穴が沢山開いている木には、天気が良いと色々な昆虫が訪れます。
今回はあいにくの天気でしたが、クワガタや産卵に来たガガンボを見ることができました。洞には蜂が巣を作っていることもあるので観察する際は十分にお気を付けください。
洞以外にも取材当日は雨・風共に強く歩道上では、多くの枝葉が落ちていました。そんな枝葉に混じって、フラダンスの花の首飾りのような20㎝程の穂が落ちているのを見つけました。
それがこちら
首飾りのように見えたのはサワグルミの実が連なっている物でした。よく見てみると花びらような物の根元に円形状の種があり、種からうちわ状に薄い羽根のような物が伸びていました。
この羽根のような物は、種を少しでも遠くへ飛ばすための物で、風の力を上手く利用するために薄く円形状の形になっています。この羽根が連なっている様子が遠目から見ると首飾りの花弁のように見えてしまったみたいです。
近くを見るとサワグルミの木が複数生えており、枝からは地面に落ちている種と同じ物が枝から垂れ下がっている姿を見ることもできました。
普段は気が付かない雨の日ならではのうれしい発見が出来て得をした気分です。
天気が崩れやすい季節ですが、赤沼から出ている低公害バスを利用すれば短時間・短距離で奥日光の綺麗な自然や景色を楽しめます。深い青葉で覆われた山肌と青く透き通った中禅寺湖を味わえるのはこの時期ならではです。是非この時期らしい自然を探して見てください。(しゅんか)
お知らせ
日光自然博物館では、夏の企画展「奥日光カッチカチのコウチュウ展」を開催中です。奥日光で見られる個性豊かなコウチュウ達の魅力が詰まった展示になっています。この機会にコウチュウ達の世界を覗いてみましょう!
企画展以外にも昼間の戦場ヶ原をガイドと一緒に歩くイベントなど奥日光の夏を楽しめるイベントを開催中です。詳しくはこちらから
↓動画はこちら↓
https://www.youtube.com/watch?v=i_RO2Gmar9g