奥日光の自然情報を中心に、日光の最新の話題、さらに日光自然博物館のイベント情報を、カテゴリー「新・山の上からこんにちは」の記事として毎週金曜日にお伝えしていきます。
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今朝の博物館周辺の天気はくもり、気温は17℃です。(8:00時点)※下記の情報は7月8日(火)時点のものです。
今回は小田代原を一周してきました。約3km、1時間ほどのコースです。低公害バスでは赤沼車庫から小田代原
まで15分ほどで行くことができます。
小田代原の夏といえば色とりどりのお花。ホザキシモツケやノアザミの様子を見に行くのと同時に、
花に集まる虫たちを追いました!
ホザキシモツケはどんどん開花中!今週末には見頃を迎えるでしょう。
また、ノアザミはまだつぼみが多いですが、咲いているものもあります。こちらも週末良さそうですね。
まずはホザキシモツケに集まる、必見のチョウです!黒地に白い斑点模様が筋のようにあるので
フタスジチョウという名前がついています。ふわふわ飛ぶのが可愛らしいチョウです。
このチョウが飛んでいるということ自体が実は奥日光らしさの象徴なんです。というのも、幼虫の頃に食べる
のはホザキシモツケの葉で、成虫になってもホザキシモツケの蜜を吸います。
一生をホザキシモツケと過ごすんです。他のシモツケ類の葉も食べるのですが、そのシモツケ類が減ってきた
ことからこのチョウも数が少なくなっています。
本州では見ること自体珍しいのですが、小田代原や戦場ヶ原ではあちこち飛んでいますよ。
お次はノアザミの見方がちょっと変わるお話です。実はアザミ、ピンクの花のすぐ下、丸い緑の部分を
総苞(そうほう)というのですが、そこを優しく触ってみると……ネバネバするんです!
これは茎を登ってやってくる虫を花に近づけさせないためだと言われています。
また、ノアザミが来てほしい空を飛ぶチョウやハチはネバネバしない花の上に着地するので問題ありません。
これで花粉を運ぶ虫だけを選り好みして来させている…とのこと。(※諸説あり)
植物もただ食べられているだけではなく、時には虫を利用して共に生きています。そして、この関係性が豊か
な自然の基盤となります。お花を見たいけど虫は……という人も虫のおかげで花も生きているという事を感じ
てほしいです。
今回のコースはこちら!
小田代原は日陰も多く涼しいのですが、それでも油断は禁物です。熱中症対策はお忘れなく!
水分補給はこまめにし、日向では帽子をかぶって暑さから身を守りましょう。
今回の記事を動画にしました。こちらも併せてご覧ください!
おしらせ
日光自然博物館では夏の企画展「奥日光 カッチカチのコウチュウ展」を7/12から開催!今回は奥日光の「コウチュウ」にスポットを当てました。生体展示や巨大模型も!お子様もお楽しみいただける内容です。