日光自然博物館

BLOG 戦場ヶ原からこんにちは

2024.02.09
新・山の上からこんにちはvol.547

奥日光の自然情報を中心に、日光の最新の話題、さらに日光自然博物館のイベント情報を、カテゴリー「新・山の上からこんにちは」の記事として毎週金曜日にお伝えしていきます。

 

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今朝の天気は晴れ、気温は-6℃です。(8:00時点)※下記の情報は2月7日(金)時点のものです。

 

5日にまとまった降雪があり、ようやく厳冬期らしい景色になった奥日光。

今回は、スノーシューを履き、1月31日に開通したばかりのスノーシューコースのひとつ「石楠花平(しゃくなげだいら)コース」を歩いてきました。

 

石楠花平コースは、湯元温泉から冬季閉鎖中の金精道路へあがり、石楠花平を目指す3.5kmほどのコースです。

一部急な上り坂もありますが、晴れた日には金精道路から真下に広がる湯元の街並みを見渡すことができ、景色を楽しみたい人にもお勧めしたいコースです。

 

じゃあ当日の景色はというと…

晴れ間が広がり、湯元の街並みだけじゃなく湯ノ湖までくっきり!

金精道路の様子はこんな感じ

先日の降雪により、ふかふかのパウダースノーが60cm以上積もっています。極上の歩き心地を楽しめましたよ。

 

 

後半は一転。空は曇り、雪の中でのハイキングとなりました。

しかし、これはこれで楽しみのひとつ。雪の降りしきる中、今度は様々な「音」を楽しみながら歩きましたよ。

 

しっかり積もった雪の中では、雪が音の振動を吸収し、遠くの音が聞こえにくくなるといわれています。

その分、自分が新雪を踏みしめる「キュッキュッ」という音や、少し固まった雪を踏む「ザッザッ」、周囲の木から落ちる雪の「ドサッ」などといった物音に集中し、楽しむことが出来るのです。

 

また、慣れてくると、「音」から近くの生き物たちの気配を感じ取ることも出来るようになります。

「コツコツ…」と何かを叩く音の方に目を凝らすと…

※上記写真は別日撮影のもの

そこにいたのは、一心不乱に木をつつく、「アカゲラ」

餌である、木の中に住む虫を探しているようです。

 

アカゲラが去った後の木に近づいてみると、周囲には木の樹皮や破片が散らばっています。

辺りを見渡してみると、同様に散らばっている木がちらほら。まるで行儀の悪い子の食べこぼしのようです。

 

…と今度は「パキパキ」と枝を折るような音も聞こえてきましたよ。

音の正体は…

ニホンザル!

こちらも餌として木の枝を折り、枝の皮や、木の芽を齧っているようでした。

下には皮を齧られ、アスパラガスのようになった枝がたくさん。

 

食べ物の少ない冬ですが、キツツキもサルたちも、厳しい季節を乗り越えようと頑張っているようです。

そんな「音」から生き物たちの営みを知り、私も勇気をもらったような一日でした。

 

自然の中では、目と併せて他の感覚も使うことで、自然をもっと楽しむことが出来ます。こうした様々な楽しみ方がまだまだ冬の森の中にはありますので、このブログや観察会などで、今後も是非皆様に紹介したいと思います。(kobo)

 

肝心の音は、ぜひyoutubeでご覧ください!↓

https://youtu.be/CWxLjjigMGo

 

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おしらせ

 

日光自然博物館では冬の奥日光を楽しむことができる各種ツアーを企画しています。本日ご紹介したスノーシューコースを自然解説員の案内で歩く「スノーシューで雪の森へ!」や、絶景を目指して冬山にチャレンジできる氷瀑トレッキングなど盛りだくさんです!その他ツアーや詳細はこちらからどうぞ!