日光自然博物館

BLOG 戦場ヶ原からこんにちは

2020.06.12
新・山の上からこんにちはvol.368

奥日光の自然情報を中心に、日光の最新の話題、さらに日光自然博物館のイベント情報を、カテゴリー「新・山の上からこんにちは」の記事として毎週金曜日にお伝えしていきます。

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◆今朝の奥日光の天気は曇り。気温は18℃(午前8:00)

 

今回は湯元へ行き、湯ノ平湿原と湯ノ湖を一周してきました。

エゾハルゼミは鳴いていましたが、湯元でも夏のような暑さでした。

 

そんな天気の中、湯ノ平湿原では「グルルッ!」という低い鳴き声が遊歩道の下から聞こえてきました。

その声の主は、モリアオガエル。残念ながら姿を見ることはできませんでした。

奥日光では、4月から5月にヤマアカガエルやアズマヒキガエルが出始め、5月中旬頃からカジカガエルが見られますが、モリアオガエルはその後の6月前後から見られる初夏のカエルです。奥日光の春はカエルで賑やかになりますね。

 

さて、今度は湯ノ湖です。

遊歩道を歩いていると、頭上に何やら赤い小さな花が無数に並んでいるではありませんか。

これは、ベニサラサドウダンという花。「ドウダン」を漢字で「満天星」と書きますが、それは中国語が由来のようで、小さな花がたくさん並ぶ様子を、夜空に広がる無数の星々に見立てて「満天星」という漢字が当てられているそうです。

星空観察が好きな私(Hori)には、「満天星」と付けられたドウダンツツジになんだかワクワクしてしまいます!

 

星といえば、この日はもう一つ昼間の星空を見つけました。

湯ノ湖の山側にあたる西側を歩いていると、斜面に生える大きな木の根の隙間に小さな宇宙が広がっていました。

宝石のようにエメラルド色に輝くそれは、ヒカリゴケ。まるで宇宙に輝く星々の様でとてもキレイです!

この「ヒカリゴケ」という名前からして自ら発光しそうですが、実はそうではないんです。

ヒカリゴケは成長するために表面にレンズのような細胞を作り、暗い環境でもより多くの光を集め光合成できるようにします。

光合成に必要のない光が反射して緑色に光っているように見えるんです。私は今年初確認だったので嬉しかったですね!

この日は、「頭上に広がる満天星」と「ヒカリゴケの宇宙」、昼間の星空を見つける一日でした。

 

夏らしさの出てきた奥日光ですが、季節の境目にあるこの時期は、春と夏の生きものたちを同時に楽しめるタイミングです。

多くの生きもので活気づく奥日光の様子をこのブログで楽しんでいただければと思います。

 

(Hori)

 

 

★★自然体験イベント情報★★

※新型コロナウイルス感染拡大防止の関係で内容を変更する可能性があります。ご了承ください。

 

◆ 親子で夏の滝探検!in奥日光

2020年7月25日(土) 8:45~15:00

隠れた滝…庵滝(いおりだき)をめざして森の中を探検する親子向けハイキングです。

奥日光の涼しい夏を思いきり楽しみましょう♪

 

◆ 自然解説員が教える!昆虫標本教室

2020年8月8日(土)、9日(日) ①10:00~11:30 ②13:30~15:00

夏の企画展『奥日光のクワガタ展』連動・各日2回開催する少人数制の昆虫標本作製教室です。

自然解説員と一緒に昆虫の乾燥標本を作製します。できた標本は道具一式とともにお土産に!

 

 

★★企画展情報★★

 

♢ 春の企画展『奥日光絶景写真展2』

 ~2020年7月12日(日)

昨年秋にご好評いただいた展示が帰ってきました!

低公害バスから見える景色、見に行きたくなっちゃう絶景を大判プリントでご紹介します。