奥日光の自然情報を中心に、日光の最新の話題、さらに日光自然博物館のイベント情報を、カテゴリー「新・山の上からこんにちは」の記事として毎週金曜日にお伝えしていきます。
今朝の天気は、気温は℃。(8:00時点)
※下記の情報は9月2日(火)時点のものです。
最近の奥日光は、夏の暑さがまだ残っています。日焼けや熱中症対策を忘れずにお越しください。
今回は湯元温泉駐車場から刈込湖まで往復してきました。距離は片道約3kmで、1時間半ほどで歩けるコースになっています。針葉樹が広がる静かな森と大きな岩がゴロゴロと点在しているのが特徴です。
コース上は道が狭く片側が斜面になっている場所や急な上り下り、岩や木の根も多くあるので足元には十分にお気を付けください。
このコースは、三岳を回り込むようにコースが通っていて、三岳の噴火などによって生じた大きな岩が多く露出しています。幾度かの噴火により、地表や斜面にも多くの岩が積み重なっているので、岩と岩の間には空間ができます。
このような場所では、この時期に涼しめる天然のクーラーを堪能できます。
天然のクーラーとは風穴(ふうけつ)です。風穴とは、地中内にできた空間で冷たいまま保たれた空気が地表に空いている岩の亀裂や穴から吹き出る場所になります。この風穴からは10℃以下の風が流れ出ているので、汗をかいて火照った体にはうってつけのポイントです。是非、堪能してみてください。
この風穴涼めるだけでなく、宝石のように光の反射でキラキラと光るある物が見られることがあります。
正体はヒカリゴケです。ヒカリゴケは冷涼で岩穴などの薄暗くて湿った場所に生育します。大きな岩が点在しているこのコースでは比較的見つけやすいので、風穴で涼みながら探して見てください。
岩や針葉樹の巨木を見ながら進んでいると、地面で茶色い塊が動いているのをみつけました。
よくよく見てみるとセンチコガネと言う糞虫が動物の糞を運んでいる姿でした。奥日光ではよく見られる昆虫の一つですが、数が多いのには理由があります。
理由と言うのは奥日光にはシカが多く生息しているからです。数が多いことで、その分糞を食べる糞虫の数も増えます。特にシカが良く通る場所では多く見ることができます。今回の道沿いでもシカの足跡や糞などの痕跡が多く、センチコガネも多く見ることができました。
自然を堪能しつつ進んでいくと、今回のコースの半分に位置する小峠に到着です。
小峠付近ではコメツガやシラビソ、アスナロ等の針葉樹が主体の森が広がり、暗く静かな森を堪能できます。暗い森を30分程進むと前方に青く煌めく風景が見え始めました。
ゴールの刈込湖です。刈込湖の湖面は凪いでいて周囲の木々が映り込み、湖畔ではトンボが、湖の浅瀬では小魚たちが泳ぎ回る爽やかな光景が広がっていました。疲れた体に爽やかな景色が染み渡ります。
都会ではまだまだ残暑が厳しい季節ですが、標高が高い奥日光では、晩夏でも涼しく楽しめる景色や自然が沢山あります。この機会に是非晩夏の奥日光をお楽しみください。(しゅんか)
↓動画はこちらから↓※9/5更新
お知らせ
日光自然博物館では、9/6(土)から秋の企画展「奥日光の絶景に会いに行こう」を開催予定です。博物館スタッフ選りすぐりの奥日光の魅力が詰まった展示になっています。この機会に是非お越しください。