日光自然博物館

BLOG 戦場ヶ原からこんにちは

2025.05.30
新・山の上からこんにちはvol.614 ※動画をUPしました5/30

奥日光の自然情報を中心に、日光の最新の話題、さらに日光自然博物館のイベント情報を、カテゴリー「新・山の上からこんにちは」の記事として毎週金曜日にお伝えしていきます。

 

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今朝の天気は雨、気温は7℃です。(8:00時点)※下記の情報は5月28日(水)時点のものです。

最近の奥日光は天気が崩れやすく、肌寒い日が続いています。お越しになる際は上に羽織るものや雨具の準備を忘れずにお越しください。

 

今回は、この時期になるとお問い合わせが多くなる、紅白色のあの花の状態を確認しに小田代原から泉門池・戦場ヶ原を経由して赤沼まで歩いてきました。

紅白色の花と言うのはこちら・・・

ズミの花です。ズミは蕾の状態では赤色をしていて、花になると純白の綺麗な花を咲かせます。

1つの花で紅・白と相反する色が楽しめるのは魅力です。

例年だと5月下旬辺りから咲き始めますが、今年も花のシーズンが到来したようです。

 

 

満開に近い株や蕾だけの株など株によってバラつきは見られましたが、全体的には咲き進んでいる最中で、赤い蕾と白い花の両方を見られて、めでたい紅白色を堪能できました。

 

ズミの紅白色を周りではシラカバやカラマツの淡い新緑に包まれている光景は、春らしい柔らかな雰囲気があり、つい見入ってしまうほど癒されました。新緑に映えるズミの紅白色を楽しむには、今がチャンスです。

 

今回歩いたコースはズミ以外にも見所があります。

コース上で森の雰囲気や環境が変わるところです。

コースの大半が森の中にあるのですが、場所ごとに生えている樹木の種類が異なり、また、その樹木がまとまって生えているので、違う雰囲気の森を楽しめます。

小田代原から泉門池付近ではミズナラが主体の森で、綺麗な淡い新緑に光が差し込む森が広がっていて、

泉門池付近から青木橋までは、針葉樹のウラジロモミがうっそうと生える少し暗い森が広がっています。

 

また、森だけでなく小田代原や戦場ヶ原等の湿原、コースの脇には湯川も流れていて、環境もガラリと変わるので、一度のハイキングで色んな環境を楽しむことができます。

 

環境や景色以外にもコース上では色々な植物や野鳥達も見ることができます。

足元では、紫色のスミレ類や白く小さなマイヅルソウ等の花々があちらこちらで咲いています。

頭上では、ウグイスやカッコウ等の野鳥が盛んに鳴いていて、仕事を忘れて、ずっと居たいくらい心地の良い空間が広がっていました。

 

そんな森を歩いていると30㎝くらいのタコの足のような物が地面から何本もまとまって垂直に生えているのを発見しました。

それがこちら

正体は、シダ植物の新芽でした。葉の開き切る前は、内側に綺麗に渦巻くように巻かれていて、遠目から見ると地面からタコの足が出ているように見えました。見た目はかなり奇天烈ですが、触るとまた面白いんです。

表面に柔らかい毛が沢山生えているので、そっと撫でるように触ると、タオルにしたいくらいフワフワとした気持ちの良い触り心地なんです。

コース上では沢山見られますが、葉が完全に開いてしまうと堪能できないので、機会があれば、傷つけないようにそっと触ってみてください。

 

シダ植物の新芽やズミの蕾と花の紅白色を同時に楽しめるのもこの時期ならではです。

景色やズミの花以外にも野鳥のさえずりや足元に咲き誇る草花も観察してこの時期ならではの奥日光をお楽しみください(しゅんか)

 

今回歩いたコースはこちら(※太い赤線がコースになります)

距離は約6㎞程です。コースの大半は木道ですが、途中土道もあり、木の根が飛び出している場所も多いので足元には十分にお気を付けください。

また、赤沼情報センター前から低公害バスも出ているので、小田代原へのアクセスにご利用ください。

バスの詳しく情報はこちらです

 

今回の動画はこちら