日光自然博物館

BLOG 戦場ヶ原からこんにちは

2023.12.29
新・山の上からこんにちはvol.543

奥日光の自然情報を中心に、日光の最新の話題、さらに日光自然博物館のイベント情報を、カテゴリー「新・山の上からこんにちは」の記事として毎週金曜日にお伝えしていきます。

 

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最近の奥日光は晴れることが多く、中禅寺湖周辺では先週の寒波の際に積もった雪も解けています。例年よりもあたたかい冬と言えるでしょう。

 

今回は中禅寺湖南岸、歌ヶ浜駐車場から八丁出島の手前、狸窪まで行ってきました!片道約50分ほどのコースです。

雪は日陰になっているところは道路を覆うように薄く積もっていますが、日当たりの良いところでは路肩に少し残っている程度でした。南岸はしぶき氷が多く見られることで有名ですが、こちらもまだ無く、本格的な冬景色はもう少し先といったところです。

 

南岸コースは景色が良く、今は雪化粧の峰を一望できます。

そして岸の方に近づいてきた水鳥の観察もしやすい場所でもあります。オオバンやキンクロハジロといった冬鳥を肉眼でもはっきり見られました。

 

南岸はこれだけではありません!景色や水鳥以外にも雪が本格的に積もる前の今だからこそ見ることのできる小さな彩りがあるんです。花も紅葉も終わり、一見白黒の風景に思われますが、枯れ木や倒木に注目してみると様々な発見があります。この日は至る所で赤い毛の生えた倒木を見つけました。

毛の正体はコケで、一本一本をよく見ると先端が少し膨らんでいます。

いわゆる「コケの花」と呼ばれるものですが、実のところ花ではありません。胞子体といわれるコケの体の一部で、先端には胞子が詰まっています。暖かくなって成熟すると胞子を出します。たくさん生えているとつい撫でたくなります。柔らかくて気持ちいいですよ。

 

木にはコケ以外にきのこが多くついています。

カワラタケというきのこは同じ種類でも色の違いがあり、様々な表情を見せてくれます。黒いものが多く、重なっている見た目から瓦にちなんでつけられた名前ですが、一か所に多く集まる姿がフリルのようで、上品なドレスにも見えます。

 

他にも画鋲のような形のビョウタケもありました。

鮮やかな橙色が美しい小指の先ほどの小さなきのこです。とても小さいですが、集まっているので目を引きます。

その他、釣鐘のような形のツリガネタケなどを見ることができます。秋のイメージが強いきのこですが、冬でも楽しめるんです!

 

一見華やかさのない風景でもよく見るといろんな形や色のものがたくさんあります。ぜひとも見て触れて楽しんでください。何もない季節は無い!ということを体感していただきたいです。

しかしこれから先はいよいよ本格的な冬となります!
年末年始は気温が高いようですが、防寒対策に加え、急な降雪を考慮してご準備ください。(冴)

 

動画も作成したのでよろしければこちらも併せてご覧ください!

 

お知らせ

1月からは、ふかふか雪の森の中を歩くスノーシューやクロスカントリースキーなどを使った各種イベントが盛沢山!

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