日光自然博物館

BLOG 戦場ヶ原からこんにちは

2020.06.19
新・山の上からこんにちはvol.369
 
奥日光の自然情報を中心に、日光の最新の話題、さらに日光自然博物館のイベント情報を、カテゴリー「新・山の上からこんにちは」の記事として毎週金曜日にお伝えしていきます。

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◆今朝の奥日光の天気は雨。気温は13℃(午前8:00)

 

今シーズンまだ行けないでいた切込・刈込湖、涸沼を経由して光徳へと抜けるルートを歩いてきました。

木々の緑も大分濃くなった、夏らしい深い森の中へ入っていきます。

 

しばらく歩いていると、縦に伸び、白い小さな花をいくつも付ける植物が目に止まりました。

 

 

ズダヤクシュです。至る所に咲いており、縦にまっすぐと成長する茎はかなり目立ちます。

このズダヤクシュ、漢字で書くと「喘息薬種」と書きます。ズダとは喘息の方言にあたり、喘息の薬として使われていたことが由来とされています。実際に薬として使われていたなどの文献を見ると人と植物との関わりの深さを改めて感じます。

 

再び歩みを進めると、森はさらに深くなり、コケに覆われた石や大木が目立つようになってきました。すると木々の隙間から刈込湖特有のブルーの水面が顔をのぞかせました。

 

 

刈込湖到着です!

静かな森の中にひっそりと佇む湖はとても美しく、疲れを忘れさせてくれます。

景色を眺めて楽しんでいると、不意に森の中から静寂を打ち破るように「ヒンカラララ」という綺麗な鳴き声が。

正体は…。

 

 

コマドリです!顔から背中と胸のあたりがオレンジ色の体長14センチほどの夏鳥です。毎年この時期になると切込・刈込湖周辺にやってきます。コマドリはその綺麗なさえずりから日本で最も鳴き声の美しい鳥として「日本三鳴鳥」(他の2羽はオオルリとウグイスです)にもなっています。

(姿も今年初めて確認でき、私個人としても嬉しい限り♪)

 

湖を後にし、また山道を歩いていると、目の前が一気に開けました。

 

 

涸沼に着きました。沼と名前につきますが実際は草原のような場所が広がっています。

そしてよく見ると、木々にたくさんの白い小さな花が…。

 

 

ズミの花です。戦場ヶ原は終わってしまいましたが、涸沼のズミは取材した水曜(6/17)の時点で見頃ピークといった状態でした。ズミの花は散りやすい花ですが、週末でもまだギリギリ見られるかなといった印象です。

 

奥日光でも場所や標高によって花の開花状況が異なったり、見られる生物の種類も少しずつ変わってきます。

そこが奥日光の面白い所であり、私が魅力としてお伝えしたいポイントでもあります。

これからもどんどん情報発信していきますよ~!(梅)

 

★★自然体験イベント情報★★

※新型コロナウイルス感染拡大防止の関係で内容を変更する可能性があります。ご了承ください。

 

◆ 親子で夏の滝探検!in奥日光

2020年7月25日(土) 8:45~15:00

隠れた滝…庵滝(いおりだき)をめざして森の中を探検する親子向けハイキングです。

奥日光の涼しい夏を思いきり楽しみましょう♪

 

◆ 自然解説員が教える!昆虫標本教室

2020年8月8日(土)、9日(日) ①10:00~11:30 ②13:30~15:00

夏の企画展『奥日光のクワガタ展』連動・各日2回開催する少人数制の昆虫標本作製教室です。

自然解説員と一緒に昆虫の乾燥標本を作製します。できた標本は道具一式とともにお土産に!

 

 

★★企画展情報★★

 

♢ 春の企画展『奥日光絶景写真展2』

 ~2020年7月12日(日)

昨年秋にご好評いただいた展示が帰ってきました!

低公害バスから見える景色、見に行きたくなっちゃう絶景を大判プリントでご紹介します。