
奥日光の自然情報を中心に、日光の最新の話題、さらに日光自然博物館のイベント情報を、カテゴリー「新・山の上からこんにちは」の記事として毎週金曜日にお伝えしていきます。
今朝の天気は晴れ、気温は6℃。(8:00時点)
※下記の情報は10月22日(水)時点のものです。
最近の奥日光は、最高気温が10℃を切るようになってきました。手袋やネックウォーマーなど素肌が隠せるような暖かい格好でお越しください。
今回は西ノ湖バス停から西ノ湖・千手の森歩道を経由して千手ヶ浜まで歩いてきました。所要時間は1時間半程で平坦な森の中を歩くコースになっています。
※赤線が今回歩いたコースになります。
秋の奥日光と言えば…紅葉
博物館にもこの時期になると紅葉に関するお問い合わせを多くいただきます。
今回の取材では紅葉と一緒に楽しめる秋の奥日光を紹介していきます。
まずはコース上での紅葉状況から!
西ノ湖や千手ヶ浜では、周囲の山肌の黄色が目立つようになってきました。赤色も出始めてきていて秋本番といった印象です。
西ノ湖
千手ヶ浜(北岸方面) 千手ヶ浜(南岸方面)
千手の森歩道では、ミズナラが落葉し始めてきましたが、バトンタッチをするようにカエデ類が黄色や淡い赤色に変わってきていました。
紅葉した山肌を見ていてふと不思議に思うのが、なぜこんなに色とりどりなのか?
実は樹木の種類の多さに関係があります。紅葉の色は樹木の種類によって異なります。色々な種類の木が山肌の隙間を埋めるように生えているので、複雑に入り組んだ綺麗な山肌を見ることができるんです。
山肌の紅葉以外にも、千手の森歩道の中の短い区間でもある変化を見つけることができました。
変化と言うのはコース上の短い区間で紅葉の様子の違いです。
西ノ湖付近では淡い緑の森が、中間付近では黄色や赤の紅葉が見られ、千手ヶ浜に近づくにつれて緑が優勢の森になっていました。
西ノ湖付近 中間付近 千手ヶ浜付近
なぜ、短い区間でこれほど変化があるかと言うと恐らくこの区間内で環境が異なり、その環境に合わせて異なる樹木が纏まって生えているからだと考えられます。
西ノ湖付近では植樹されたカラマツの森が、歩道の中間付近ではミズナラやカエデ類が、そして千手ヶ浜に近づくと川の土砂がたまるような環境を好むハルニレ等がそれぞれの場所で纏まって生えていることで変化が見られたようです。
森の変化以外にも紅葉した葉にも面白い発見がありました。
発見と言うのはこちら
カエデの葉に残された不思議な虫食い跡です ※写真は別日撮影
弾丸を撃ち込まれたように穴が沢山開いている物やアラビア文字の一部のような線状の物、葉脈に沿うように線状に繰りぬかれた物など様々です。
この虫食いを作成した虫はハムシと言う甲虫の様です。※別日撮影
1つの木の葉でも様々な線や丸が描かれていて見ているだけで楽しめました。
虫によって食べ方に違いがあり、その食べ跡も様々です。
葉に跡が付き残念と思われるかもしれませんが、虫たちが生きるために残した個性的な作品を是非楽しんでみてください。
「芸術の秋」と言われるように秋の森には虫食い以外にも生き物達が残した芸術作品が沢山あります。紅葉以外にも色々な場所に目を向けると新しい楽しみ方が見つかるかもしれません。(しゅんか)
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