奥日光の自然情報を中心に、日光の最新の話題、さらに日光自然博物館のイベント情報を、カテゴリー「新・山の上からこんにちは」の記事として毎週金曜日にお伝えしていきます。
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今朝の博物館周辺の天気は晴れ 、気温は19℃です。(8:00時点)※下記の情報は6月18日(水)時点のものです。
今回は湯元温泉街の奥にある湯ノ平湿原から小峠、そして刈込湖まで登ってきました。
(刈込湖)
スタート地点の湯ノ平湿原の標高は約1480m。今回のコース全体の高低差は200mほど、片道約1時間半かかるコースです。
刈込湖周辺は亜高山帯と呼ばれる環境でウラジロモミやコメツガ、シラビソなど寒冷な気候に耐えられる針葉樹が多く生えます。
(コメツガの葉)
これらの葉は分厚く、濃い緑色をしているため、森の中は太陽の光があまり届かず薄暗いです。そのため、とても涼しいですよ!
さらに、たくさんの種類のコケが岩や倒木をびっしりと覆いつくしています。コケは乾燥に弱く、じめじめしていて、ちょっとだけ太陽の光が当たる場所が好きです。薄暗い針葉樹の森にはたくさんのコケが見られます。
そんな森の中を歩いていると「ヒンタララララララ」と、まるで馬のような独特な鳴き声が聞こえてきました。
(コマドリ 別日撮影)
コマドリという鳥の鳴き声です。鳴き声は非常に美しく、ウグイス、オオルリとともに、日本の鳥の中で特にさえずりが美しい日本三鳴鳥として有名な鳥です。山地~亜高山帯の下草が生い茂る森に生息しています。奥日光では刈込湖周辺の針葉樹林内によくいるのでぜひ、耳をすまして歩いてみてください。
今回、一番うれしかった出会いが、サラサドウダンの花を見られたことです!
花は長さ1㎝ほどの釣り鐘型で、白にピンク色の縦筋がはいっていて可愛い!この模様が更紗(さらさ)染めに似ていることから名前がついたと言われています。
では「ドウダン」の由来は何かというと、花が鈴なりに咲く姿が夜空を埋め尽くす満天の星に見えることから満点星(どうだん)と名前がついたという説があります。
しかし、私はこの由来にはいまいち説得力がないな~と思っていたのですが、今回、花をよく観察して見たら、確かに星があったんです!
真下から花の中を見てみると、花の上についている萼(がく)が透けて見えました。それが星の形だったんです!
サラサドウダンは暑さに弱いため、標高が高い所に生えますが、暗すぎてもダメなので、ほどよく太陽の光が当たるところが好きです。小峠よりも手前のやや明るい森で探してみてください。
同じ奥日光内でも、戦場ヶ原周辺とは異なる魅力をもった「亜高山」という環境をぜひ体験してみてほしいです。
ただし、岩がゴロゴロしていたり段差が大きかったりと足場が悪い所もあるので、トレッキングシューズなどしっかりとした装備でお越しください。(渋)
★★★イベント情報★★★
6月29日(日)、7月26日(土)に、小田代原で「お花ちゃんとフラワーハイキング」開催!
日光自然博物館の植物好きネイチャーガイド「お花ちゃん」が、小田代原で見られる奥日光の花たちについて、その魅力を様々な角度からご案内します!
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