日光自然博物館

BLOG 戦場ヶ原からこんにちは

2019.02.08
新・山の上からこんにちはvol.299

奥日光の自然情報を中心に、日光の最新の話題、さらに日光自然博物館のイベント情報を、
カテゴリー「新・山の上からこんにちは」の記事として毎週金曜日にお伝えしていきます。

 

■ 今朝の奥日光の天気は晴れ+強風、気温は-5℃(博物館周辺 8:00時点)

 

今朝は冷え込んだ冬らしい朝を迎えましたが、今週の中宮祠は、雪ではなく雨が降ったり、積んであった雪塊が溶けてきたり……冬らしからぬ天気も多いです。

 

そんな中ですが、今回は博物館スタッフの研修として雲竜渓谷へ行ってきました。

冬季には最奥の雲竜瀑が凍結し「氷瀑」になる、個人からツアー団体まで数多くの人を魅了する人気スポットです。

 

アクセスはおのれの足のみ。東照宮の東側を流れる稲荷川に沿って、林道を登って行きます。

 

稲荷川にかかる大きな砂防ダムの上からパチリ。(写真は復路のものです)

この稲荷川は日光一の暴れ川としても知られていて、河原には直径1m級の岩もゴロゴロ。土石流止めの砂防ダムが数多く見られました。

 

今年は降雪が少ないため、例年なら雪で埋められている林道や小さな沢が露出しており、アスファルトの表面に氷が張っていたり、渡渉(川を渡ること)箇所が多い上に飛び石の表面にも厚い氷が……など、うっかり足を滑らせそうな箇所がたくさんあってハラハラしどおし。

例年でもそうですが、安全を確保するため、アイゼンとヘルメットが必要です。

コース中盤からはこれらを装着して進みます。

 

 

雲竜瀑に近付くと……

(友知らず)

 

(ツバメ岩)

 

5m、10m級の大きなツララがずらり!

奥日光にはない、荒々しい自然の姿に心がはやります。

※ちなみに、氷柱の裏には空間があることが多いですが、入り込むと危険です※

 

 

これらを通り過ぎ、急峻な崖を登ると……

 

 

歩き始めて約2時間半、100mを越える雲竜瀑の本瀑が出迎えてくれました。てっぺんの背景には鮮やかなブルーの空。最高の天気にも恵まれました!

 

本瀑の左右では、伏流水がカーテンのような氷柱を為しています。

この一部を使ってアイスクライミングの研修もしてきました。

 

(写真は松とT-村)

 

両手に持ったクライミング用ピッケルと、前爪のあるアイゼンを、交互に氷壁へ突き立てて登ります。

指導者たちは涼しい顔でスイスイ登って行くのに、実際にやってみると、握力+肩の力が予想以上に必要。翌々日まで筋肉痛が続きました……。

 

普段の奥日光での活動では出来ないような経験を積むことができ、有意義な研修になりました。

が、こうしている間にも、雲竜瀑や多くの氷柱が少しずつ崩れ、細かな氷の破片が降ってきていました。

1月中旬~2月中旬までが入山の推奨されている期間ですが、今シーズンについては私たちの行った2月5日でもギリギリだったのかもしれません。来年に期待です。(山)

 

 

○○自然体験イベント情報○○

 

● スノーシューで雪の森へ!

平成31年2月16,23日(土)10:00~14:30

自然解説員の案内で、一日たっぷりスノーシューを楽しめます。

 

● 奥日光発・セイブツタヨウセイ入門

平成31年3月10日(日)10:00~12:30

「生物多様性」や「生態系」、HOTなワードを屋内外での活動で楽しく学べます。

 

◇◇企画展情報◇◇

◆ 明治150年「地域の記憶展 明治の山峡-華厳のひびき-」

平成30年11月24日(土)~ 平成31年2月17日(日) ※休館日を除く

華厳滝に心動かされた、また滝で地域活性化を図った人々の思いが詰まった、様々な作品を展示しています。